ヤブガラシ      (6月7日のお話)











 写真の植物をご存知の方もみえることでしょう。

 ヤブガラシという名の植物で、この時期少しでも放置した庭などには必ずといっていいくらい生えてきます。いわゆる雑草です。

 また別名を「貧乏葛」(びんぼうかずら)というそうです。放っておくとツルがぐんぐんとあっという間に伸び、他の植物や家、塀、その他なんでも絡み覆い尽くしていきます。このためこの植物が覆っている庭は、手入れしていない、怠けている家と近所の人から思われたり、景観を損ねることから、そう呼ばれているそうです。

 これを知らない方も、実際に目にしたことあると思います。私もこのように、今日も今日とてこのヤブガラシさんが伸び放題の庭に佇み、しばし途方に暮れておりました。

 この忌々しい雑草め! とツルを掴んで引きちぎることもたびたびではありますが、その生命力には驚かされます。

 また若芽は食用になり、葉や根は薬草になるようであります。

(くわしくは植物図鑑で調べてください)

 人に嫌われ、貧乏葛などと、まるで貧乏神みたいなよばれ方までされても、まったく意に介さず、写真のように今夕も涼しい風に葉を揺らしておりました。その強さはなんでしょうか。

 わが命の本懐、存在意義を知っているのでしょうか。はたまたそんな理屈っぽいことなどどうでもいい、とにかく生きろ、生きろ、と突き進んでいるのでしょうか。それに比べて私はどうでしょうか。

 たかが雑草と思うなかれ。との呼び声が聞こえてきます。

 なんまんだぶつのお言葉は、あらゆるものに耳を傾けろ、と教えてくれています。  なんまんだぶつ。