田植えの季節

 三月が去り、四月の声を聞いているうちに満開の桜も散り、はや五月の風に吹かれようとしています。

 今さらですが、早いですね。写真は今日の寺の横の田んぼです。ご覧のように田に水が入っています。あとは苗を植えるだけ。もう田植の時期となりました。

 田に水がはられ苗が植えられると、きれいな水田になります。昼間はお日さまの光できらきらと輝き、夜はお月さまの光に照らされて優しく光っています。そのうちにたくさんの蛙たちがゲコゲコと夜通し合唱する声も聞こえてきます。ほんとうに美しい日本の原風景の姿をしばしの間見せてくれます。

 また美しい風景だけだはありません。やがて秋が訪れると、きれいな真珠のような白いお米がとれるのです。お米がとれると農家の人たちは、その収穫を感謝して、とれたお米をお寺に持ち寄り、仏前にお供えして感謝のお勤めをします。お米は「ごはんさん」と呼ばれ、炊き立てをお供えします。お米だけではありませんが、とくにお米は農民にとって大切であり、それゆえに仏様と深く関わってきたのでしょう。

 「いただきます。」「ごちそうさま。」はお米を仏様と拝む心のあらわれであったのでしょう。

 「なんまんだぶつ。」は「いただきます、ごちそうさま。」です。

 田んぼは、昔の人々からの大切なみ教えなのではないかと思います。